誰も知らない [映画]
♪ 真夜中の空に問いかけてみても ただ星が輝くだけ …
心から溶けだした黒い湖へと 流されていくだけ …
「羊・狼」に収録された事もあり、最近「宝石」を耳にする機会が増えたため、
あらためて、この映画を観てみました。
実際にあった事件をモチーフに創られたフィクションではありますが、
淡々と日々の生活ぶりを綴ったリアルな映像からは、
どうしても、ドキュメンタリーの香りが伝わってきてしまいます。
この映画、間違いなく、たつまるの心に一石を投じました…。
元々、カンヌの事もあり、評判の高かったこの映画ですが、
観てみようと思った一番の理由は、
タテタカコの歌う「宝石」が、
挿入歌として、どのように使われているかを確かめたかったからです。
是枝監督が、タテタカコに直接交渉して使わせて貰っただけに、
「宝石」は、素晴らしい使われ方をしています。
東京、または、都会での生活の影の部分、
その中で見つける、微かな希望や仲間…。
視点が、成長過程の子供達からのものだけに、
心に伝わってくる重みが、大人中心の映画とは違い過ぎました。
勿論、希望を感じるかは、観た人の解釈によります。
大人に対する不快感や狡さしか感じないかも知れません…。
例えば家族以外に、とても細い繋がりだけれども、憩いの存在があったとしたら…。
本当は、そんな存在などを自覚する事の無い生活に没頭できていれば、
それは、「幸せ」の中にいるのでしょう。
でも、没頭できない生活を、惰性のままに過ごしているとしたら…。
映画「誰も知らない」の中で、
主人公「明」にとっては、
閉鎖された生活の中でも出会う事のできた、家族以外の「紗希」こそが、
これから先の人生での心の在り方、人生との向き合い方に、
微かな希望をもたらす、憩いの存在のはずです。
だからこそ、この映画で描かれた内容の重さを、中和できると思うから…。
♪ 氷のように枯れた瞳で 僕は大きくなってゆく …
誰もみたことのない 異臭を放った宝石 …
宝石/タテタカコ (作詞・作曲 タテタカコ)
↑ 「紗希」こと、韓 英恵(カンハナエ) さん! 透明感のある魅力を感じます。
miiyaさん、nice!をありがとうございました!
by たつまる (2007-10-31 23:40)
映画を超えたすごい作品だったと思います。
あの息苦しさは未だに忘れられません。
by ken (2007-11-02 16:43)
未見ですがレンタル店で数度手に取るほどには気になった作品です。
なにか気になるジャケットだったので・・・
でも「こわい話」が入っているに違いない、やめとこーぜ!といった
脳内ブレーカ(チキンシステム)が、棚に戻すことを指示するのです(笑)。
チョコのとこれ、機会があったら見てみたいです。
by 2nd3rd (2007-11-03 02:47)
xml_xslさん、nice!をありがとうございました!
by たつまる (2007-11-03 09:54)
kenさん、はじめまして!
nice!とコメントをありがとうございます。
映像の中の世界に吸い込まれるような凄い作品でした。
家族のように並ぶ紗希の姿が、「希望」として心に残りました。
同時に「紗希ちゃん、また来る?」と、
何度も明に訊ねていた、ゆきの姿も思い出します。
by たつまる (2007-11-03 10:02)
2nd3rdさん、nice!とコメントを、いつもありがとうございます。
ある意味「こわい話」というのは、正解だと思います。
ただ、スプラッタ的な怖さは、ありませんので。
観た人が、それぞれの生活と照らし合わせて、
考えなければいけない事が、詰まっている気がします。
たまたまですが、内容は全く違えど、
「チャーリーとチョコレート工場」と、この映画とは、
「家族の在り方」「子供の教育」などの共通点がありますね。
by たつまる (2007-11-03 10:42)